音楽も写真もターゲットとなる音・被写体をどう残すかだ。
音楽は、RECボタンを押したとき、マイクを通して、取り巻く環境要素も含んだ音が記録される。
写真は、シャッターを切ったとき、レンズを通して取り巻く環境要素も含んだ被写体が記録される。
両者とも、この環境要素の具合も作品として重要になる。
そして最終的には、
音楽はミキシングされ、マスタリングされてマスターができる。
写真は現像され、(最近ではレタッチされて)マスターができる。写真に合成作業が加わると音楽のミキシング作業に近くなる。
さらに音楽には、音像の輪郭をはっきりさせたり、残響を加えたりという、いわゆるエフェクターやプラグインの類があり、
写真には、より被写体をくっきりさせたり、ぼやかしたり、こちらにもまた多種多様なプラグインの類がある。
と、いった具合に細かな部分まで音楽と写真には共通点が多い。
音楽のレコーディングの技術の進歩が、画像の編集技術の進歩と今も比例しているのは興味深い部分だ。
視覚か聴覚の問題以外は加工技術まで似ているのだ。
しかし、そんな近似性のある両者にも、大きな違いを探してみると、実はある。
簡単に言うと作品として考えたときの帰属性だ。
カメラマンが作品として残すことは当然のように多いが、レコーディングエンジニアが自分の作品として何かを作り、残すことは少ない。
カメラマンが個展を開いたり、写真集を発表することはあるが、レコーディングエンジニアが主役となって何かを発表することは少ない。
(カメラマンもレコーディングエンジニアも委託を受けての仕事であれば共通の立場にあるが、表現者として成り得る比率には大きな開きがある。)
レコーディングエンジニアとしての立場で何かテーマを決めて作品を残すことがあっても面白いと思うのだが!
知り合いのエンジニアさん達とその辺の話をしてみようと思うのでした。
Comments