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  • 執筆者の写真佐藤ノリヨシ - SANOVA -

いい加減

更新日:2018年8月9日

こんちには みさなん おんげき ですか?わしたはげんきです。

この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげ は、もじ を にしんき する とき、その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば 、じばんゅん は 、めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。

どでうす?ちんゃと よゃちめう でしょ?


上の文章は、ご存知の方も多いかと思います。

Typoglycemia(タイポグリセミア)と呼ばれる現象を体験できる参考文です。

単語の最初の文字と最後の文字以外は順番が並び替えられても人間は読めるのだそうです。

(ただし、単語の文字数が多いと読めないとのこと)


先日もとある和菓子屋さんの広告が、この現象を利用した広告文によって話題となり、売り上げ実績を大きく伸ばしたのだとか。


ヒトの脳というのはいい加減です。

いい加減というとマイナスなイメージですが、実は「良い」加減ということなのです。


この時代まで生き残る為に人間が培ってきた能力といえます。

タイポグリセミアのような「良い」加減な能力は他にもあります。


たとえば、人の顔を認識する能力。

最近の研究では目から入る情報において、人の顔を認識するのは、顔認識専門の脳細胞があるのだとか。人は本能的に視野の中の顔を優先的に捉えてしまうのです。

次に、カクテルパーティー効果。

こちらは大勢の人が雑談をしているような中でも、興味のある言葉や自分の名前、好きな人の声などは聴き取る事が出来る能力です。


これらの能力は、膨大な情報の中から効率よく大切な情報をつかむために発達してきた貴重な能力で、無意識レベルで人間は使いこなしているのです。


さて、私たちのようなデザインや広告に関わる仕事をしている人たちは、このような人間の特徴的な能力を把握し、それらを意識しながら人が反応するように計算して作ることが多くあります。


人の能力を「逆手に取って」というと聞こえは悪いのですが、そういった、人の心をいかにして動かすかということを、まるでカラクリを作るようにして楽しんで取り組んでいるということに間違いはないでしょう。


このような能力については主に行動心理学という分野で様々な研究がなされていて、その分野にはカクテルパーティー効果のような『●●効果』と呼ばれる言葉がたくさんあります。


現代のビジネスというのは、人間の購買欲求などを行動心理学と巧みに結びつけて様々な戦略を行なっているのです。

こういった戦略は僕の知る限り少なくとも戦後以降は盛んに行なわれており、近年の戦略になると結構えげつのないものも多く見られます。

つまり、人間の「良い」加減な能力は巧みに利用され、それらはまるで幾十ものトラップとなって消費者をつかまえようとしているのですね。(結局聞こえの悪い言い方に・・・)


消費者の立場として言えるのは、こういった企業の心理作戦に気づける知識や、疑う心をなんとなくでも持っていることが今の時代には大切ですね。受け身でいると「いいカモ」にされてしまいますよ。

とはいえ、この手の戦略的手法には常套手段というものはなく、どれも一過性のものと言えます。消費者側も馬鹿ではないので、だまされなくなって、飽和を迎え廃れていきます。


そしてもちろん、素敵なデザインや広告も世の中にたくさんあります。

それらを見極められる「良い」加減な能力を研ぎすましていきましょう。


我々デザイナーは、洗練された訴求を形にしていくのが常に目標です。

商品広告にしても商品の持つ力以上のものを掲載したり、惑わすことで商品を買わせるような手段にデザイナーを使って欲しくはないというのが自論ですね。そこで稼ぐデザイナーが存在するのも事実ですが、、、


補足:

興味のある方は、次の効果も調べてみてください。

「私、あのときこれを利用されていたかも・・・」なんてドキっとするかもしれませんよ。

・テンション・リダクション効果

・カリギュラ効果

・ベビーフェイス効果

・ザイオンス効果

・リーセンシー効果

・シャルパンティエ効果

などなど、たくさんの、、、トラップ、ありますよ。


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